日本初の犬専門スタイリストであるERIさん。 
「ドッグスタイリストとは、具体的にどういったお仕事ですか?」との問いかけに対し、「そうですね。 どう説明すれば良いでしょうか」そう本人が苦笑するほどに、その活躍フィールドは多岐にわたる。
ドッグスタイリストとしての道を歩み始めると共に、彼女の生活を一変させたのは、クルクルとしたブラウンのカーリィヘアが自慢の愛犬『Tea*na』との出会いだった。 「Tea*naは掛替えの無い存在であり、一緒に生きた証として、少しでも多くの時間を共有できる仕事に就きたい、そして、出来るだけ多くの人に犬の魅力や存在を知って貰いたい!」

そんな強い信念を持ちながら研鑽に努めているうちに、ドッグスタイリストとしての仕事も徐々に増えてくるようになってきた。
ドッグスタイリストとしての守備範囲は、ファッションコーディネートに始まりペット関連商品の企画開発サポート、イベントのプロディース、雑誌やネットでのメディアミックスなど多岐に及ぶ。特別な資格こそいらないが、それぞれの専門家と肩を並べて話す機会も多く、生半可な気持ちで出来るものではない。 彼女の基本的スタンスは、単に仕事を請け負うだけではなく、ペットが人間社会と理想的な距離を保ち、共生する為のルールやマナーを広めて、社会が犬にとっても住み易く、多くの人達から自然体で受け入れられるような環境を作り出すことにあると考えている。 その為には、自ら進んで行動する事が大切であり、それが愛犬への想いと、犬と人との良好な共生環境を生み出す事にも繋がると信じている。
ERIさんの仕事に対する考え方や姿勢は、豊富な実経験に裏打ちされた、きめ細やかなサポートにあり、顧客からの信頼は絶大である。

具体的な活動分野としては、撮影などのサービスサポートや、コンパニオンアニマル育成に関わる、コンサルティング的な業務がある。

撮影に関しては、スタジオの手配から洋服の選定に始まり、構図やライティングのアドバイスなど、人の撮影と大きな違いは無いが、犬は人と違い言葉で自分の気持ちを表現できず、より細やかな気配り必要となる。微妙な立ち位置や、ワンコ達の集中力の限界を見極めたり、常に犬と飼主、それに他のスタッフ達への気配りは欠かせない。

犬は非常に繊細な動物なので、飼主の心の動揺や不安がそのまま伝わり、撮影現場に影響をあたえる事も多いと言う。又、飼主に対しては、忠実で絶大な信用をよせており、飼主が楽しくリラックスしていれば、撮影もスムーズに進む可能性が高く、ワンコのサポートと共に飼主への配慮は欠かせないと。
コンサルティングについては、「特別な資格はいらないものの、最低限の知識と経験、そして最も大切なのは溢れるような愛情」
クライアントやワンコ、そして飼主への細かな配慮などにより、如何に満足度を高めるかが重要で、その為の『トータル的なフォローは必要不可欠』であるという。

最近では愛犬との新たなコミュニケーションの手段として、『ドッグヨーガ』の普及にも励んでいる。 『ドッグヨーガ』は、古代インドでの修行法の一つであるヨーガを、犬用にアレンジしたもので、愛犬との絆をより深め、飼主自身も一体となって楽しめ癒される、新しいコミュニケーションツールとして注目されている。 愛犬に無理やりポーズを取らせることはないので、犬にかかる負担は無く、むしろ同じリズムで愛犬と呼吸を合わせる事により、より一体感が生まれて、安らかな気持ちになれるという。
 
ERIさんのように『犬と人間とが自然体で共生できる社会作り』に賛同して、自ら自発的に活動している人は少なくない。小さな力ではあっても継続し続ける事により、やがては大きな動きへと変わって行く。

「愛犬との絆がより深まる事により、生命あるものと暮らすことの大切さを、一人でも多くの飼主が認識し意識改善すれば、何の罪も無い尊い命が絶たれ続けられている現状に終止符が打てるかも知れない。きっと救える命はあるはず」。

そんな日が来るまでは、何かとストレスの絶えない現代社会にあって、コンパニオンアニマル達は人の心と身体を癒し、生活に潤いを与えてくれる存在なのかも知れない。

■取材協力:ERI(ドッグスタイリスト)

■ドッグヨーガの写真(一枚目と三枚目)
衣装協力:Mutter 写真:つの☆じゅん(エフジー武蔵)