健康づくりは日々の食事からと考えます。「ペットと食」に関する、私たちの考え方について、少しだけお付き合いいただければ嬉しいです。

私たちは、自然の恵みを食べ、健全なカラダを育て、生活しています。これは、ごく自然なことで、ペットにとっても同じです。健全なカラダを育てるには、さまざまな栄養素を必要とします。ペットフードは、必要な栄養素がバランスよく配合された「総合栄養食」。計量して、パッと！、ボウルに入れるだけ。簡単、しかも手軽で経済的。

しかし、毎日、毎食、同じもの。パサパサの「フード」だけを、一生食べ続けるのは、なんとも味気ないことでしょう。栄養バランスが優れているから、同じ物しか与えてはいけない。いつからこのような考えが、一般的になったのでしょうか？　自分の家族にたいしては、このようなことは決してしないはずです。

バラエティにとんだ美味しい「食事」は、食べた人が喜び、またその喜びが広がり、作った人も、食べる人も、さらに嬉びが増します。食材の香り、口の中で広がる味わい、噛んだ瞬間の食感、その一口一口が、楽しく豊かな食生活をサポートしていきます。これは、ペットも同じです。彼らも美味しいものが大好きで、愛情も伝わります。

私たちは、犬の「食事」はこうあるべきと断定することはできません。考え方や内容は、飼主のライフスタイル、犬の個体差によっても千差万別。ひとつの情報にとらわれすぎて、選択肢を狭めないようにしてほしいのです。

ペットフードと手づくりゴハン、それぞれの特徴を理解したうえで、健康で自然体の食生活を選択してもらえればいいと思っています。人間との違い、彼らの体の基礎知識について理解していれば大丈夫。厳密な栄養バランスやカロリー計算など悩みだしたらきりがないし、神経質になりすぎて苦痛に感じるようになれば、その感情は伝わります。

手づくりゴハンを作ってあげたいと思ったなら、自分のゴハンを作るような軽い気持ちで、彼らの「食事」も作ってあげてください。「こんなやり方もあるんだ！」くらいの軽い気持ちで。うまくいかなければ方法を変えればいい。まずは、ゆっくりとあせらず、自分に合った方法を見つけだせればいいのです。

はじめは、フードの量を少し減らして、自然の食材をほんの少しトッピング。たったこれだけで、ペットフードでは補うことのできない「新鮮さ」や「酵素」が加わり、パサパサの「フード」は、みずみずしい食感の「食事」に変わっていくのです。

新しい食事に慣れるまでには、少し時間がかかることがあるかもしれません。最初は下痢をしたり、消化されずに食材がそのまま出てきたりして、驚くかもしれません。その時は、体調に合わせて、水分量を調整したり、細かく刻んであげる。その程度でいいのです。元気で食欲があれば、あまり神経質にならなくてもいいと思います。彼らの体は、驚くほど早く順応し、面白いほどに変化がみられるようになるでしょう。機能が正しく働けば、免疫力や自然治癒力も高まり、病気にもかかりにくくなります。体つき、ケヅヤ、目の輝き、排泄など、見違えるほどに変わっていくかもしれません。

それでも不安に思うのであれば、従来のペットフードでもいいのです。フードの裏表示をみて添加物が心配だったら、別のメーカーを試してみたり、腐らないフードに疑問を感じたら、獣医さんに相談してみるのもいいかもしれません。

私たちは、ペットフードにひと手間加えるだけの手軽なレシピを中心に、余裕のあるときに、是非作ってみてほしい、こだわりのレシピまでを紹介していきます。また、市販のペットフードについても独自の視点で優しく解説していきます。その中で、ちょっと気になるレシピや、「あ！、これいいかも！」というのがあれば、自分なりにアレンジし、活用してもらえれば嬉しいです。

きっと、自分のライフスタイルに合ったものが見つかるはず。そう、ちょっとした工夫で、彼らとの食生活がより健康で豊かなものになるかもしれない。そんな、思いを込めて取り組んでいきます・・・。