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>>>手づくりゴハンの注意点

手づくりゴハンを始めるには、食事の分量、回数、温度、味付け、食材など、とまどうことも多いでしょう。しかし、何も難しく考えることはありません。「消化に悪いもの」「暖かいもの」「味付けの濃いもの」「与えてはいけない食材」、この4つのポイントさえ押えていれば、むしろ、何を食べさせてもいいと思っています。何が一番いい食事かではなく、何が自分の子に合っているか、毎日の様子を見ながら愛犬の体型や健康状態に合わせて、食環境を柔軟に整えていくとよいでしょう。注意が必要なことを纏めてみました。

食材を選ぶ__食材は何も特別なものである必要はありませんが、私たちが普段食べている食材の中には、犬に与えると害を及ぼしてしまうものもあります。全ての食材について知る必要はありませんが、与えてはいけないものだけは覚えておくようにしましょう。

食材の大きさ__肉や魚は、市販のドライフードの粒よりも少し大きいくらいにカットして与えるのが理想です。犬の歯や口は、消化を助けるために細かく咀嚼する機能はなく噛めないものは丸飲みにします。消化しにくい野菜などは、すり潰すか細かく刻みます。又、喉に詰まらせてしまう心配がある食材は、さらに小さめにカットして与えます。

食材の硬さ__硬いママの状態で与えるのは避けるようにします。野菜や穀物などは基本やわらかくしてから与えるとよいでしょう。あまり神経質になる必要はありませんが、スプーンの背で軽く押せる程度が理想です。

ゴハンの温度__作りたてのゴハンは必ず冷ましてから与えるようにしてください。冷蔵庫などで冷やされた冷たすぎるゴハンは嗜好性を損なうほか、消化不良や下痢の原因にもなります。人肌くらいの温かさを目安にするとよいでしょう。

ゴハンの味付け__基本的に味付けをする必要はありません。犬は人間の3分の1程度しか塩分を必要としません。食いつきが悪い場合は、カツオだしや昆布だしなどを入れると良いでしょう。また、刺激の強い香辛料などは心臓や肝臓に負担をかける恐れがありますので与えないようにします。

ゴハンの回数__一日のゴハンの回数は、それぞれのライフステージに合わせて変更していきます。成長期の犬は消化機能が十分に発育していないため、一度にたくさんの量を食べることができません。生後6ヶ月位までは3~4回程度に分けて与えます。個体差はありますが、生後1年位からは1日2回位に分けて与えます。一度に摂取すると胃腸への負担が大きくなるほか、空腹時が長く続くと胃液の逆流が起こりやすくなりますので、朝と夕方など、時間を決めて与えるといいでしょう。

老犬に与える場合__一般的には7歳以降を老犬と呼びます。老化の進行度合いは、生活環境や体格などによってかなりの差がでてきます。目には見えないものの5歳位からエネルギーの消費量は徐々に落ちていき、体の衰えが始まります。加齢とともに運動量は減り、基礎代謝も低下していきます。今までのような高カロリーのゴハンを与え続けていると肥満になり、体にさまざまな弊害をもたらすようになります。そのため、与える量を成犬期の80%程に抑え、低カロリーで消化吸収の良いゴハンを与えるようにします。また、運動不足と消化機能の低下から便秘になりやすく、食物繊維を多めに与えると良いでしょう。生活習慣による慢性疾患などが現れやすい時期でもあり、食事の内容を見直すだけでなく、定期的に健康診断を受けておくと安心です。適切な食事と健康管理次第では、老化の進行を遅らせることもできます。

加工品を食材として使う場合__ハム、ソーセージ、チーズなどの加工品には多くの塩分が含まれています。人間の感覚で与えていると、塩分過多になり心臓や肝臓などに負担をかけてしまいます。内容を確認して、塩分量が多いものは避けるようにします。

市販フードからの切り替え__すぐに手作りゴハンに切り替えても、まず問題はありませんが、うまく順応できずに下痢や嘔吐を引き起こすデリケートな犬がいるのも事実です。これは、食べ慣れない食材が入ってくると体が一時的に拒絶反応を示すためで、けっして悪いことではありません。食べ慣れたペットフードと併用しながら、2週間程かけて徐々に切り替えるといいでしょう。

アレルギー体質の場合__食物アレルギーの犬は年々増加傾向にあり、その数は全体の20%~30%にものぼるといわれています。食物アレルギーの原因は、食物に含まれる特定のタンパク質に対して体の免疫システムが過剰反応を起こしてしまうためです。かゆみに始まり、激しくなると皮膚の炎症や抜毛などの症状として現れます。アレルゲン(アレルギーの原因)が特定されている場合は、その食材を含まないようにします。原因となる食材を絶つことで、その症状をコントロールすることができます。深刻な場合は、獣医に相談するようにしてください。

適正な体重を知る__犬の健康管理には、適切な体型を知ることが大切です。私たちと同じく、痩せ過ぎも太り過ぎも良くありません。手作りゴハンを与えるにあたって、目安となるカロリー値はありますが、絶対値はありません。適正な体型に近づけるよう、健康状態や体型チェックを習慣づけるようにしてください。ここではBCSと呼ばれる、犬の体を外から見ることと触診を組み合わせた健康管理法を紹介します。

BCS1 やせすぎ__皮下脂肪がほとんどなく、肋骨、腰椎、骨盤が浮き出ていて容易に触ることができる状態です。触れると明らかにゴツゴツしていて、上から見るとは腰が深くくびれ、横からは腹部の吊り上がりが顕著にみてとれる。

BCS2 やややせている__皮下脂肪が薄く、肋骨、腰椎、骨盤を容易に触ることができる状態です。触れると少しゴツゴツしていて、上から見るとは腰がくくびれ、横からは腹部の吊り上がりがみてとれる。

BCS3 理想の体重__薄い皮下脂肪が全体を覆っている状態で、肋骨、腰椎、骨盤に触ることができる状態です。上から見るとはやや腰がくくびれ、横からは腹部のなだらかな吊り上がりがみてとれる。

BCS4 やや太っている__皮下脂肪が全体を覆っている状態で、肋骨、腰椎、骨盤に触ることができる状態です。上から見ると腰のくくびれがほとんどなく、横からは腹部がやや吊り上ているのがみてとれる。

BCS5 太っている__暑い皮下脂肪が全体を覆っている状態で、肋骨、腰椎、骨盤に簡単に触ることができない状態です。上から見ると腰のくくびれなく、横からは腹部の吊り上りがなく、少し垂れ下がっている。